よくある質問と答え

息子は4歳の時、急性リンパ性白血病にかかり、3年前まで闘病。今年の4月からようやく小学校に入学し、今は通院する期間も3ヶ月に1回程度に減りました。
最近、入院中に知り合ったお母さんたち3名と、自分たちの経験を、同じ病気のお子さんをもった親御さんのために生かしたいと考えています。親の会を作るには、どのようにすれば良いですか?
小児がんの親の会の活動に決まりはありません。どこで、どのような目的で、どのような活動をしたいか3人で相談し、まずは、動くための段取りを始めてみましょう。グループの輪を広げたいときは、活動の主旨をわかりやすいように宣伝し、仲間を募りましょう。
活動の場は、病院、地域だけでなく、ホームページやブログなどを通じたネット上など、自分たちの活動しやすい方法を選びましょう。病院の中で活動したい場合は、核となる疾患の医師や相談支援センターのソーシャルワーカーさん、もしくは病棟の看護師さんに相談すると、活動場所などについて相談にのってくれるでしょう。地域で活動したい場合は、活動したい地域の保健所、もしくは社会福祉協議会のボランティア、市民活動センターなどで相談されると、活動資金の相談にものってもらえることがあります。ホームページやブログは、自宅でも更新でき、全国の同じ境遇の人たちとつながることができる大変便利な手段です。
何れにしても、活動には無理のないよう、できる範囲で長く続けられる形が望ましいです。
小児脳腫瘍のため、闘病していた子どもをもつ母親です。治療していた病院は脳腫瘍のお子さんがたくさんいるため、相談を受けることがあります。そこで私はこれからピアサポーターとして勉強をしていきたいと考えていますが、ピアサポーターになるためには、どのくらいの経験が必要ですか?今までカウンセリングなどの勉強をしたことがありませんが、ピアサポーターになれますか?
全ての経験はゼロから始まります。しかしピアサポーターとしての経験はゼロからのスタートでも、脳腫瘍との戦いを親子でなさったあなたの経験は決してゼロではありません。それこそがピア(小児がんとの戦いという経験の共有者たち)であることの強みであり、弱点でもあります。弱点をカバーし、強みを活かしてサポーターとして役立っていくためには、毎日の新しい体験から学び続け、常に自分をバージョンアップしていくことが求められます。
勉強のきっかけとして、たとえば当会(小児がんピアサポーター推進協議会)が主催している「小児がんピアサポーター養成研修会」は、2日間で10時間あまりの時間数です。このような機会を始めとして経験と学びを重ねていくという道もあります。
医療や社会システムは変化し続けています。また、心のケアも同様です。「新しいこと」が次々に起きてきます。知識技術も人間も常に発達していくのですから、ピアサポーターにも常に自分を新しくしていく姿勢が求められるのです。
私の娘はかつて小児がんを経験し、現在は26歳です。いま私は闘病した病院の院内親の会で、世話人として活動しています。2年前、保健所のピアサポーター研修会にも参加しました。
若い年代のお母さんの相談にのることもあるのですが、年齢の差を感じ、相談ができているのか不安になります。研修会を受けたあとも継続的に知識、力をつけていくにはどのようにしたらよいですか?

研修会の内容によって、何年経っても大きく変わらない事柄(例えばケアの本質など)もあれば、医療や社会システムのように変化している可能性のある事柄があります。また、「知識や力」は現場での実戦とと絡みながら身につけていきます。相談活動などを継続するためには、次のような選択肢がありそうです。

  1. ピアサポーター研修会などは内容を吟味して継続受講する。
  2. 持続的な学びが可能なネットワークや組織に所属して新しい知識やあなたが直面している事柄についての情報交換や相談を受けてもらう。または研修会の同窓生らと繋がり、自分たちで新しいネットワークを立ち上げる。研修会の講師などにも参加を求めれば、継続的にアドバイスをもらったり、新たな研修会情報なども得やすくなります。
  3. 病院や組織と継続的に繋がっていれば、新たな学びを得る機会にも多く出会います。「継続は力なり」最新の医療を学んだり、同じような患者会、家族会と継続的に交流することで、外の状況を知ることもできます。

他社の相談を受けるときに、ある種の「ためらい」はむしろ大切です。「これでいいのでしょうか?」という「ためらい」を常に持ち続けることが独善的になることを回避するのに役立ちます。
さて、「本当に相談ができているのか」の答えを持っているのは誰でしょうか?その答えの一番近くにいるのは相談に来たその若いお母さんですね。どうぞ率直にお尋ねになることをお勧めし明日。「私の対応がお役に立っているのかどうか知りたいです」こうやってフィードバックをもらい、そこから学べることがたくさんあると思います。

息子は、再生不良性貧血で10年以上、小児血液科の先生にお世話になっています。難病の子供を持つお母さんたちの相談にのれればと考え、ピアサポーターの研修会の受講を考えています。受講することで何か資格が取れますか?受講後どのようなところで活動できますか?
ピアサポーターは専門職と同様の資格制度はとっていません。同じ体験をした仲間として、相談にのる、話をするためのトレーニングを受けた人のことをいいます。ただし、研修会の主催側によっては、参加証、認定証を提供しているところもあります。それぞれの団体に確認してみましょう。
子供の病気に関連したピアサポートの研修を修了した方たちの多くは、親の会として病院や地域で活動するなど、同じ病気や境遇の仲間同士で集まって、当事者グループの中で活動しています。