国民病ともいわれる「がん」撲滅のために、2007年「がん対策基本法」が成立しました。この法律の制定により、全国に「がん診療連携拠点病院」が設置され、病院内には「患者・家族らのがんに関する相談について提供する体制を支援する」ことを目的に、「相談支援センター」が設置されました。
2012年には「がん総合相談に携わる者に対する研修プログラム策定事業」が始まり、がん体験者のための「がん総合相談研修プログラム」が作成されました。当事者同士によるピアサポートが、がん支援に重要であると社会から認知されたのです。

一方、小児がんでは成人のがんより5年遅れて2012年度のがん対策推進基本計画に小児がんの対策が明記され、2013年には小児がん診療拠点病院が指定。ピアサポーターによる相談支援の必要性が議論され始めました。

小児がんは子供本人だけではなく、家族にも大きな影響があります。成人のがんとは違い、小児がん家族のための相談支援を行うピアサポーターの存在が望まれます。そのため小児がんの相談に携わる家族に対する研修プログラムが必要になったのです。

2013年7月、全国小児がん患者会ネットワークを介して、有志の親の会代表10団体で、「小児がんピアサポーター推進協議会」を設立しました。この会は、小児がんの子供を持つ家族たちが相談事業にかかわるための基本的な知識とカウンセリング技術を身につけて、各地の「親の会」などを通じてピアサポートが円滑に行えるための支援者を養成することを目的にしています。この活動は、小児がんの家族である皆さんが、これからピアサポーターとして各会でで活動するための後押しとなるものです。
現在、年に2回「小児がんピアサポーター養成研修会」を関東、関西の小児がん拠点病院で開催しています。
家族会に興味をお持ちになり、これから参加してみようと考えておられる方は是非、一度研修会へ見学にいらしてください。心の扉が開かれると感じると思います。

小児がんピアサポート推進協議会