小児がんの種類

小児がんのなかで、血液のがんと固形がんの発症率はほぼ同じくらいです。
血液がんの中には、白血病や悪性リンパ腫などが含まれます。固形がんの中で、数の多いものは脳腫瘍です。その他にも神経芽細胞腫や横紋筋肉腫、網膜芽細胞腫といった種類の腫瘍があります。

白血病

小児血液悪性腫瘍の中で、最も多いものです。色々な種類がありますが大きく分けると、急性白血病と慢性白血病になります。急性白血病には、急性リンパ性白血病(ALL)と急性骨髄性白血病(AML)があり、子どもの白血病といえばほとんどが急性リンパ性白血病(ALL)になります。
現在は検査と治療の方法が進んで、どのタイプが治りやすいかわかるようになってきました。治癒率は全体で70%くらいにまで上がっています。治りやすいタイプは90%以上の患者さんが治る時代になっています。

神経芽腫

神経芽腫は小児がんの代表としてあげられる病気の一つです。副腎という腎臓の上にある臓器や、後腹膜という背中に近い交感神経節から発症する小児がんです。神経芽腫といっても頭の中の腫瘍ではありませんのでご注意ください。
この腫瘍は骨や骨髄に転移しやすい腫瘍です。目が腫れたり、目の周りの出血があったり、足を引きずるようになって初めて気づかれることも多いようです。化学療法、放射線治療や自家末梢血幹細胞移植など、いろいろな治療がなされますが、ステージ4という最も進行したもので生存率は40%くらいしかありません。とても厳しい腫瘍です。

脳腫瘍

脳腫瘍は、小児がんのなかで白血病についで発症数の多い疾患です。脳腫瘍は良性とか悪性といった腫瘍そのものの性質のみでなく、その腫瘍ができる場所にも大きく影響されるものです。たとえば脳幹グリオーマという病気は、脳幹という呼吸など人間が生きていく上で最も大切な機能をコントロールする場所にできる脳腫瘍なので、それほど悪性の性質を持っていなくても生命に関わる疾患となってしまいます。しかもそれほど悪性でないということは、抗がん剤や放射線治療にもそれほど反応が見られないため、なお厄介なものなのです。